注文住宅の間取りにおいて、「水回りは1カ所に集中させるべき」といわれることがあります。これには明確な理由があるのです。キッチン・洗面所・トイレ・浴室といった水回りの配管は、建築コストに大きく影響します。水回りの設備が散らばっていると、それだけ配管を長く伸ばす必要があるため、コストも膨れ上がります。水回りを1カ所に集中させておけば、トラブルのリスクも最小限に抑えられるほか、比較的メンテナンスも簡単。だからこそ、水回りを1カ所に集中させた間取りが推奨されているのです。
・排水と間取り
キッチンや洗面化粧台・トイレなどの水を使う器具を設置する部屋の間取りに関しては、できる限り近い位置に設置すると良いです。
給排水の水廻りを集約することで、工事費が比較的安くなる、メンテナンスがしやすくなる、排水音が気になりにくい、プランに無駄がなくなるなど、数多くのメリットが得られます。
逆に給排水の水廻りが間取りとしてあっちこっちに計画すると、給湯器から遠くなってお湯が来るまでに時間がかかるため、結果的に光熱費が無駄になってしまうのです。
排水時に発生する「音」についても考えなければなりません。トイレを流す、シャワーを使う、キッチンで洗い物をするなど、水回りでの作業には必ず音がともないます。
また家事動線が悪くなる、メンテナンス用の点検口が複数必要になる、居室で給排水の音が気になるなどの事態が発生してしまいます。
特に入居後に気付くことで対処が難しくなってしまうのが排水音に関する失敗で、排水音が気になって眠れないなど生活に大きな影響を与えてしまうのです。
間取りを考える時には快適な生活につながるように、排水音の影響などを考えて水廻りを集約させられるように心がけましょう。
水回りの間取りは限定されてしまうことが多いのですが、水回りの機能性を理解した上で、少しでも自分にとって使いやすい間取りを検討していただければと思います。